承認作業“10分の1”に短縮。監査指摘の解消と属人化からの脱却を実現― 医学・看護教育と4附属病院を支える慈恵大学が着手した経理DX ―

学校法人慈恵大学 サムネ画像

学校法人慈恵大学

学校 3,001名〜 BCP対策 振込・照会業務の負担軽減 資金繰り効率化 照会業務 振込業務 ワークフロー構築

学校法人慈恵大学は、創立140年以上の歴史を持つ私立医科大学法人として、医師・看護師の養成を中心に、診療・教育・研究の三本柱で事業を展開している。医学科・看護学科、看護専門学校を運営し、さらに本院・葛飾医療センター・第三病院・柏病院という4つの附属病院を有する。同法人は教育機関と医療機関を複合的に抱えるため、銀行口座・資金移動・収入形態が多岐にわたり、経理業務の正確性とスピードは極めて重要となる。
しかし今までは、アプリ型の旧システムを“PC1台”で運用しており、実質的に1人しか承認作業を行えない体制だった。その結果、承認フローの妥当性について監査法人から継続的に指摘を受けるなど、内部統制の観点で大きな課題を抱えていた。こうした状況を抜本的に見直す手段として、同法人が選んだのがNTTデータのクラウド型資金管理サービス「BizHawkEye」である。
本記事では、BizHawkEye導入を主導した経理課の栗田氏に、導入前の課題から導入後の変化、今後の展望までを詳しく伺った。

抱えていた課題

  • 専用アプリをPC1台で運用しており、“実質1名のみ操作可能”だった
  • 承認作業が1件ずつの画面往復で、月末負荷が極めて大きかった
  • ISDN終了により旧システム継続不可という継続性リスクが顕在化
  • ISDN回線のネットワーク障害により丸1日送金不可となり、BCP上の重大リスクに

選ばれた理由

  • 複数銀行を一元管理できる“マルチバンク対応”
  • クラウド型でアプリ不要、どの拠点からでも利用できるBCP耐性
  • NTTデータの信頼性とセキュリティへの安心感
  • 初回説明が丁寧で、社内決裁もスムーズだった

導入後の効果

  • 承認作業が“10分の1”のスピードに短縮
  • 承認者複数化により属人化が解消、監査指摘もクリア
  • 小切手廃止に伴う資金移動を、BizHawkEyeでスムーズな振込処理へ移行
  • 多拠点・多口座を扱う大学法人特有の資金管理が大幅効率化

学校法人慈恵大学とは

―まずは、事業概要について教えてください。

栗田氏:慈恵大学は、医師と看護師の養成を行う私立の医科大学法人です。大学には医学科と看護学科があり、看護専門学校も運営しています。また、本院・葛飾医療センター・第三病院・柏病院という4つの附属病院を有しています。教育・診療・研究を三本柱とする非常に大きな組織で、資金の流れも多岐にわたります。

医療機関と教育機関の両方を抱えているため、口座管理・資金移動・授業料の取り扱いなどが複雑になりやすく、経理部門には確実性とスピードが強く求められます。

学校法人慈恵大学画像
学校法人慈恵大学 法人事務局 財務部 経理課 栗田知英氏

「承認業務が“1人しかできない”」──導入前の課題

―BizHawkEye導入前の資金管理体制にはどのような課題があったのでしょうか。

栗田氏:以前はアプリ型のシステムを使っており、専用PC1台にしかインストールできませんでした。操作できるのは実質私だけで、承認作業も私1人しかできませんでした。監査法人からは「承認フローが適切ではない」と継続的に指摘されていました。

さらに旧システムの最大のストレスは、1件ずつ「登録 → 承認 → 登録画面へ戻る」を繰り返す必要があったことです。10件あれば10往復。月末はこの往復だけで何十分もかかり、精神的な負荷も大きかったです。

また、旧システムはISDN回線に依存しており、2024年1月のサービス終了により継続利用ができないことがわかっていました。「切り替えるか止まるか」という状況だったので、選定にはスピード感も必要でした。

そして決定的だったのが、経理課の建物でISDN回線のネットワーク障害が発生し、丸一日送金できなかったことです。給与日や税の支払日でなかったので大事には至りませんでしたが、BCPの観点では非常に強い危機感を覚えました。

「マルチバンク × クラウド × NTTデータ」──選定理由

―数ある選択肢の中で、BizHawkEyeを選ばれた理由を教えてください。

栗田氏:まず“マルチバンク対応”は絶対条件でした。主要4銀行と取引があるため、銀行ごとにログインし直すネットバンキング運用は現実的ではありません。BizHawkEyeなら一度のログインで複数銀行を扱えます。

加えて、クラウド型でアプリ不要という点も非常に大きかったです。以前のような“建物依存・PC依存”の運用から脱却でき、別拠点や別の端末から対応できるため、BCPの観点ではこれだけでも選定理由になるほどの強みでした。 提供元がNTTデータであるという点も大きな安心材料でした。VALUXサービスの中で唯一、インターネット上で積極的に情報発信をされているところも好感触で、初回の説明も丁寧でわかりやすく、上司の理解も得やすかったことから、社内決裁はほぼ即決というほどスムーズに進みました。

「理解ある上司と丁寧なサポートで移行は驚くほどスムーズ」──導入プロセス

―導入はどのように進められましたか。

栗田氏:社内決裁は非常に早かったです。「マルチバンク以外は考えられない」という上司の理解が大きかったですね。

初期設定では、旧システムの情報をどこに移すか分からないこともありましたが、BizHawkEyeのサポートが電話で細かく教えてくださり、スムーズに進めることができました。複雑な暗証番号が分からず困った際も、丁寧な案内で問題を解消でき、とても助けられました。

契約から利用開始までは1〜2か月程度で、複数銀行との接続テストも含め、全体として大きなトラブルもなく導入が完了しました。

「承認スピードは“10分の1”。画面往復のストレスがゼロに」──導入後の効果

―最も大きな変化は何でしょうか。

栗田氏:まず承認作業です。BizHawkEyeでは申請データをまとめて取り込み、そのまま続けて承認できます。

旧システムでは、1件承認するたびに「登録画面 → 承認画面 → またトップに戻る → 再度登録画面へ…」と、毎回同じ導線を往復する必要がありました。10件の承認なら、この動きを10回繰り返すことになります。

BizHawkEyeでは、一度申請データを読み込めば、トップ画面に戻ることなく、次々と承認を進められます。そのため、10件の承認も1分程度で完了します。画面遷移が最小限になったことで、月末に集中する“画面往復による操作ストレス”は完全になくなりました。

さらに、承認者を複数名に増やしたことで属人化も解消されました。「自分しか処理できない」という状況から解放され、監査からの指摘も改善し、精神的な負荷も大きく減りました。

学校法人慈恵大学画像

「小切手廃止 → BizHawkEyeで全て振込処理へ」

―小切手廃止に伴う業務にも変化はありましたか。

栗田氏:非常に大きな効果がありました。以前は病院間の資金移動を毎月小切手で行っていましたが、小切手廃止に伴い、BizHawkEyeを使った振込処理へ全面的に移行しました。これにより、小切手の作成・管理・移送に伴う負荷がすべてなくなりました。

これまで小切手の準備や段取りを担っていたスタッフの負担も大幅に減り、作業の正確性も向上していると感じています。

「複数拠点 × 多口座を横断する大学法人特有の資金管理が大幅効率化」

―日常業務にも変化はありましたか。

栗田氏:4つの附属病院の売上を法人に集め、2か月ごとに再配分しているのですが、BizHawkEyeでは残高照会を一覧で確認できるため、金額の確認から振替の判断までがとても早くなりました。

また、大学・専門学校の授業料口座もBizHawkEyeで確認できるので、大学法人全体の資金状況を横断的に把握しやすくなりました。

さらに、毎月20日までに前月末残高を会計システムと一致させる必要がありますが、BizHawkEyeの照会精度が高く、残高の突合せ作業も以前よりスムーズに進められるようになりました。

「画面レスポンスが速く、連続操作ができる”気持ちやすさ”」

ー操作性についてはいかがでしょうか。

栗田氏:BizHawkEyeは、画面操作の流れが途切れない点が大きな特徴だと感じています。旧システムでは「ログイン → 振込作成 → トップ画面に戻る → 承認 → またトップ画面 → 再度振込作成…」というように、操作するたびに必ずトップ画面へ戻される設計で、作業のテンポが乱れていました。
BizHawkEyeでは、

・まとめて取り込んだデータを連続して承認できる
・次の申請へスムーズに移れる
・画面遷移が最小限に抑えられている


といった特徴があります。操作の流れが止まらないため、山積みになっていたタスクがみるみる消化されていく感覚があり、非常に気持ちよく作業できます。これが毎日の業務負荷の軽減にもつながっています。

「サポートがすぐ相談できる安心感」──安心のサポート体制

―サポート面についてはいかがですか。

栗田氏:BizHawkEyeは、困ったときにすぐ相談できるサポート体制が整っています。導入初期は設定で迷うことも多かったのですが、電話で迅速かつ丁寧に対応していただけたため、不安なく進めることができました。

「連絡がすぐ取れる」「相談したことに対して具体的な解決策を提示してくれる」という安心感は、日常業務を進める上で非常に心強いです。小切手廃止時の移行や初期設定など、要所要所で丁寧なフォローをいただけたことが、スムーズな運用につながっています。

今後の展望

―今後のBizHawkEye活用について教えてください。

栗田氏:未登録口座の追加や利用者の拡大、別拠点での利用などを通じて、BCP強化をさらに進めていきたいと考えています。また、4つの附属病院間における資金繰りについては、振込への移行は達成できたものの、次の段階としてBizHawkEyeの資金集中・配分機能による自動化など、まだ活用しきれていない機能を積極的に活用していきたいと考えています。

学校法人慈恵大学画像