月額コスト1/10&毎朝40分の作業が数分に!シチズン時計がBizHawkEyeで実現した経理DXと働き方改革

シチズン時計株式会社

501~1,000名 製造・メーカー 資金繰り効率化 マルチバンク対応 照会業務 ワークフロー構築 資金集中・配分

経理部門の効率化や内部統制の強化に課題を抱える企業は少なくありません。シチズン時計株式会社も、共用PCや複数システムに依存した資金管理体制により、日々の残高確認や権限管理に多大な時間と労力を費やしていました。そこで同社は、NTTデータが提供するクラウド型資金管理サービス「BizHawkEye」を導入。結果として、毎朝40分以上かかっていた残高確認がわずか数分に短縮され、月額コストも従来の10分の1に削減されるなど、経理業務の大幅な効率化と働き方改革を実現しています。本記事では、導入を推進した財務課 山口慶氏に、その経緯や効果、今後の展望を伺いました。

抱えていた課題

  • 共用PC+複数システムに依存した非効率な資金管理体制
  • 各銀行のインターネットバンキングでのユーザー毎の権限設定や管理に多大な時間と労力が必要
  • 各銀行のインターネットバンキングごとに電子証明書やID・パスワードが必要であり、煩雑だった

選ばれた理由

  • 1回のログインで複数口座を一元管理可能であること
  • 働き方改革・コロナ禍を背景に、テレワークに対応できること
  • 「NTTデータ」ブランドとVALUX認証による高い信頼性

導入後の効果

  • 毎朝40分~2時間かかっていた残高確認が数分に短縮
  • 月額10万円前後のシステム費用が1万円台に削減
  • ユーザー単位で限度額や操作可能な口座設定が可能となり、ガバナンスを強化
  • 承認作業をクラウド化し、リモート対応を実現

100年の歴史を持つマニュファクチュール企業

──まず、御社の事業内容を教えてください。

山口氏:シチズン時計は1918年創業以来、ムーブメントから完成時計まで一貫して製造できる数少ないマニュファクチュールです。これは、世界でも限られたメーカーしか持たない強みです。

時計事業はもちろんのこと、そこで培った精密加工技術を応用し、工作機械をはじめ、自動車部品やスマートフォン用部品、健康機器といった領域にも事業を広げています。海外では米国の時計ブランド「ブローバ」などを傘下に収め、グローバル市場でも存在感を高めています。

──単に「時計メーカー」にとどまらない幅広い展開ですね。

山口氏:はい。シチズンの強みは、ものづくりのDNAを守りつつ、新しい分野へも柔軟に挑戦できる点です。私たち経理部門も、そうした全社の取り組みを資金面から支える役割を担っています。

共用PCと手作業に縛られた経理業務

──BizHawkEye導入前の経理業務はどのような状況でしたか?

山口氏:昔から、資金管理はANSERや全銀フォーマットを利用していましたが、専用ソフトをインストールした1台の共用PCを継続して利用していました。複数システムを切り替えながら使う非効率な仕組みで、複数人で同時に作業することもできませんでした。

営業所で回収した売掛金を本社のメガバンク口座へ振り替える作業を行うために、月1回某銀行様提供の専用ソフトを使って手作業で行っていました。地方銀行を利用する営業所が多いだけに、この作業を行うために共用PCが欠かせませんでした。

──インターネットバンキングは使っていなかったのですか?

山口氏:2000年代に入ってインターネット環境が整い始める中で、徐々に各銀行のインターネットバンキングを利用し始めました。ただし、銀行ごとに画面が違い、利用者ごとに電子証明書やID、パスワードを発行して管理する必要がありました。ユーザーが増えるたびに申請作業が増え、管理が非常に煩雑でした。

場当たり的な権限設定。内部統制の不安も

──業務上どのような課題がありましたか?

山口氏:各銀行のインターネットバンキングでは、ユーザーごとに取扱限度額や利用メニューを設定しなければなりませんでした。しかし急を要する場合には場当たり的に権限を変更することもあり、内部統制の観点から不安がありました。結果としてユーザーやシステムに縛られ、効率的な働き方が難しい環境になっていました。

シチズン時計株式会社 
経理部 財務課 山口 慶氏

クラウド型、NTTデータブランド、そしてUI

──そうした課題を解決するために、どのようにBizHawkEyeを検討されたのでしょうか?
山口氏:きっかけはINS回線終了の案内でした。ちょうど共用PCの更新も課題となっていた時期に、NTTデータから新サービスとして紹介されたのがBizHawkEyeです。
──決め手となったポイントは何でしょうか?
山口氏:大きく三つあります。
各金融機関のインターネットバンキングとの併用が可能であり、従来共用PCで行っていた作業を完全にカバーできること。
さらに1回のログインでマルチバンクの取引を、同じ画面上で行えること。
働き方改革やコロナ禍でリモート環境の構築が求められていたので、クラウド型サービスであることも決め手となりました。
 
──他社製品との比較は?
山口氏:正直に言うと、他社製品との比較はほとんど行いませんでした。従来ソフトは導入や設定に数百万円規模の費用がかかると聞いていましたし、UIも直感的とは言えませんでした。その点、BizHawkEyeは低コストで導入でき、画面もシンプルでわかりやすく、操作がしやすいと感じました。さらに「NTTデータ」ブランドとVALUX認証によるセキュリティ面での安心感もあり、UIとコストの両面で優位性があると判断しました。

40分かかっていた残高確認が数分に

──導入後、どのような変化がありましたか?

山口氏:最も大きな効果は残高照会の効率化です。従来は毎朝40分、夏季休業などの長期の休み明けには2時間かけて複数のインターネットバンキングにログインし入出金明細を取得していましたが、今ではBizHawkEyeに一度ログインすればすべての口座が確認できます。数分で済むようになりました。

──業務時間の削減効果は大きいですね。

山口氏:はい。人によっては年間で100時間以上の削減につながります。毎日の積み重ねが非常に大きな効果を生んでいます。

承認作業のクラウド化とガバナンス強化

──承認作業はどう変わりましたか?

山口氏:営業所からの資金振替承認をクラウド上で行えるようになりました。以前は専用ソフトをインストールしたパソコンからしか承認できず、出社が必要でしたが、今ではリモートで完結します。

さらに、ユーザーごとに口座閲覧範囲や限度額を設定できるため、内部統制の強化にもつながりました。場当たり的な権限変更をする必要もなくなりました。

月額コストは1/10に

──コスト面での効果はいかがですか?

山口氏:以前は月額10万円近い費用を支払っていましたが、BizHawkEyeに移行してからは1万円台になりました。おおよそ1/10になりました。これは会社にとって非常に大きな削減効果です。

──導入コストが高いと、なかなか踏み切れませんからね。

山口氏:その通りです。低コストで導入できる点は、社内稟議を通すうえでも説得材料になりました。

導入時の懸念とサポート

──導入の際のサポート面に際して不安はありませんでしたか?

山口氏:特に大きな不安はありませんでした。サポート体制がしっかりしており、困った時には素早いレスポンスで解決策を提示していただけました。とても心強かったです。

最終ゴールはBizHawkEyeで完遂すること

──今後の展望を教えてください。

山口氏:まずは総合振込や給与・賞与振込をBizHawkEyeに移行する予定です。その後、接続する銀行を増やし、スケジュール機能など便利な機能も積極的に活用したいですね。最終的には各金融機関のインターネットバンキングにログインすることなく、BizHawkEyeだけで資金業務を完結させる形を目指しています。

BizHawkEyeは働き方改革の加速装置

──最後に、BizHawkEyeを検討中の企業へメッセージをお願いします。

山口氏:BizHawkEyeを導入したことで、コストも時間も大幅に削減できました。残高照会や承認作業もワンストップで行え、働き方の柔軟性が大きく向上しています。

サポートも迅速で安心感があります。複数銀行を利用している企業や、リモートワークを推進したい企業には、ぜひおすすめしたいサービスです。